基礎編 5

ぐっすりねんねの、ココがポイント!

段階毎のねんね【3歳頃まで】

みなさんこんにちは、ミキサリッドです。
ねんねの面から育児を考える「ねんねのアレコレ」へようこそ!

前回に引き続き、ねんねに関わる成長段階毎に、どういう特徴があるのか、
どういったことが問題になりやすく、どういったことに力を入れるべきなのか、
こうした事を説明して参ります。今回は、このシリーズの最終段、1歳頃から3歳頃までがテーマとなります!

内容は以下の通りです。

  • この頃の特徴
  • よく出る課題と、その解決策
  • 次の段階へ備えるために
  • それではさっそく、一つずつ見ていきましょう!

  • この頃の特徴
  • もう「赤ちゃん」ではなくなる。

    過ぎてみれば早いもので、もう「赤ちゃん」という雰囲気はどんどん脱していきます。
    ミルクが必要無くなり、たっちして移動するようになり、言葉を話し始めます。
    3歳頃となるともう、びっくりするぐらいしっかりしてきます。(語彙力・・・笑)

    書いてみれば当たり前の事なんですが、
    赤ちゃんだった頃がほんの1、2年前だったとは思えないほどの変化です。

    その中でもねんねに関することで大きいのが、とにかく「興味と遊びの幅が劇的に増える」ということ。
    基本的なおもちゃ遊びから、家の中を走り回ったり、テレビに齧り付いてみたり。
    最近はYoutubeのような動画配信サイトなんかもありますし、スマホは常に狙われています。(笑)

    これらは親としてはとても微笑ましく、喜ばしい発達の証であることは間違いありません。
    その一方で、これまでのねんねの習慣を崩してしまいかねない、この段階の数少ない要因の一つとなります。

    もう「赤ちゃん」ではなくなる。

    はい来ました、という感じでしょうか、「イヤイヤ期」。
    このタイミングです。これがある為に、私たちはこうした時期から習慣を作ることをお勧めしません。
    ただでさえ言う事を素直に聞いてくれない上に、身体は夜更かしに慣れきってしまっていて、上記の通り遊びたいことは山ほどあるのです。
    無理とは言いませんが、熾烈な戦いになる事は必至です。
    ここまでの段階でねんねの習慣について努力を積み重ねられてきた方々は、
    ともすると「そこまで必要なかった気もするね笑」なんて夫婦で笑い合っているかもしれません。
    そう思える余裕こそが、努力によって勝ち得た「結果」です。

    意識は徐々に、「ねんね」から「発達・学習」へ。

    上記のようなことをも乗り越えると、ねんねについてほとんど悩むことはなくなるでしょう。
    この頃から親が心配になってくるのは、発達や学習について、言い換えれば「日中の活動について」です。
    掴まり立ちやたっち、歩き出し、積み木の積み上げ、初めての言葉、等々。
    他のお子さんとの状況と比較し、こうしたことで悩み込んでしまう方もまた多くいらっしゃいます。
    健診などの結果から、明確にこうした状況に直面した時、要因として大きくは二つを疑っていく事になります。
    つまりは、遺伝子的(先天的)なものであるか、生活習慣的(後天的)なものであるか、です。
    この時、生活習慣的なものとして、睡眠時間が挙げられるのです。
    もし「睡眠時間が原因の可能性がある」となった場合、この時期から習慣付けていく必要がありますが、
    その戦いが熾烈であることは上記の通りです。

    そうした問題が起きなければ、それはとても幸せなことです。
    ですが、常に可能性もそこにあります。「備えあれば患いなし」と、私たちは思うのです。

  • よく出る課題と、その解決策
  • イヤイヤラッシュ!

    とにかく、遊びたい、テレビ見たい、動画見たい!!!
    そんな好奇心から、今まで習慣化していても急に「イヤイヤ」と言い出す時が来ます。
    そうです、習慣化していても、です。
    じゃあこれまでの努力は一体・・・と思われるかもしれませんが、重要なのはここからです。

    それなりの個人差はあれど、人間が連続で活動できる時間というのは限られます。
    つまり、早寝が習慣化している子の身体は、ちゃんとその時間に疲れて眠たくなってきているのに対し、夜更かしが習慣化していたり、リズムが一定でない子は、その時間にちゃんと身体が眠たくなっていないワケです。
    身体が眠たくなってきていれば、欲求の一つとして「眠りたい、休みたい」がそこにあります。
    ですから、後はその背中を上手く押してあげる言葉が有効になります。 例えば、「ママももう疲れたから一緒にねんねしたいなぁ~」とか、「ねんねしてくれたらご本読んであげるよ~」とか。
    こうした言葉を素直に聞いてくれるかが凄まじく違ってきます。
    更にもう一手、となれば、それは日中しっかり遊ばせてあげる事です。
    日中が充実すればするほど、より一層夜の眠気がはっきりと分かりますよ。

    夢泣き(と私たちが呼んでいる、夜泣きの一種)

    夜中に寝言を言いだしたかと思うと、急にわんわん泣き出してよくわからない事を言っている。そんな時は、夢見が悪かったのかもしれません。
    私たちの経験では、かなりしっかりおしゃべりをし始めた2歳半頃から3歳過ぎ頃で、こうしたことがちょくちょく起きていました。
    この頃とても「はたらくくるま」が好きだった長男は、よく「いやぁ~、いやぁ~、○○車ぁ~!!」
    といって泣き出したものです。

    ○○のところは、はしご車だったり、清掃車だったり。一体何が夢の中で起きていたのか、未だに謎です(笑)
    対処法ですが、敢えて夜泣きとは思わずに、大人が悪い夢を見た時の様に対処していました。
    以下は、具体的な経験です。

    まずは抱っこして、ぼんやりと明るくした別室に移動します。
    そこで温かい少し甘い飲み物を用意し、ソファに座り、子供を対面で膝に座らせます。
    飲み物を飲ませながら、最初の内は「怖かったのかな~、悲しかったのかな~、でも大丈夫だよ~」という声掛けと共に身体をさすってやり、落ち着いてきたら少し内容を聞いてあげます。
    上の例で言えば、「はしご車が何かあったのかな?」とか。
    そうすると、ほとんど答えられないことが多いので、「あれ?忘れちゃった?」と笑顔で言ってあげると、子供も笑って「忘れちゃった」なんて言って、完全に落ち着いていきます。
    笑顔が出てくれば、もう一安心です。
    ちなみに、こうした時の定番の飲み物は、アクアライトの糖分70%カット版でした。
    これをお湯で割ると、即席のほんのり甘い温かな飲み物の出来上がりです。
    歯の健康は私たちも気になりましたので、糖分控えめなものを選択しつつ、飲んだ後には歯磨きもしておりました。
    重要だと思われるポイントとしては、まず「焦らない事」です。
    この頃のお子さんは、もうそれなりに複雑です。
    抱っこさえすればパッと泣き止むかというとそういう事は少なく、不安感もより明確に認識しているようです。
    ですから、どちらかというと「大人でもホッと安心できるような行動」を取った方が、落ち着きやすいと思われます。
    私たちは、それを飲み物とお話に求めた感じです。私もよく飲むので。。。
    次に、落ち着き始めたら「笑えるポイント」を作ってあげる事です。
    上の例で言いますと、「あれ?忘れちゃった?」を少し変な声で言ってあげる、とかでしょうか。
    劇的なものは要りません、ただちょっとクスッと笑えると、一気に落ち着くことが多いです。
    (私の場合は魔人ブウの声真似をしていました。「チョコになっちゃえ~」というセリフ、ご存知でしょうか笑)
    そしていつもの、環境です。
    暑すぎたり寒すぎたり、ムシムシしたり。
    そういう寝苦しさが、夢見を悪くさせることがあったように思われます。
    でもまぁ考えてみますと、大人でもこうした事はあります。
    改めて見直してみて、改善できるポイントがあれば調節してあげましょう!

  • 次の段階へ備えるために
  • 「通園」が始まる。

    今は様々な形態がある為、一概には言えませんが、
    少なくとも4歳になる年からは幼稚園への「通園」が始まります。
    これが意味するところは、「朝起きなければならない」という事です。 これが幼稚園であれば、まだ後で送っていくという事もそこまで問題ではありませんが、
    その後には小学校が控えています。
    そうなると、遅刻ばかりでは少々困ってしまうかもしれません。
    朝から叱られてばかりでは、子供も気が滅入るというものです。
    そうしたことなく元気に毎日が送れるよう、出来得る限りこの習慣を維持してあげましょう。

    どうしても習慣付かない場合。。

    最新の研究では、遺伝子的に「夜型」という人がいるということが分かってきたようです。
    秋田大学の三島教授の研究が、日本では有名かと思われます。
    これまでに書かせて頂いた様々な工夫を実行しても、どうしても習慣付かない場合。
    その時は、お子さんは先天的に「夜型」の傾向なのかもしれません。
    ただ、この話題を出すことは正直私どもとしては躊躇います。
    なぜなら、安易に「夜型なんだ」と決めつけて習慣付けを怠れば、失うのは「子供たちの可能性」だからです。
    「遺伝子で先天的」と聞くと、ついつい「じゃあ努力してもしょうがない」といって、諦めてもいい理由付けになってしまいがちですよね。 でも、こうしたお話で実際に自分の遺伝子を調べる方はとても少ないでしょう。
    あくまで、「こんな話もあるし、多分これだろう」と。
    一説では、この遺伝子的に夜型の人というのは数%程度しかおらず、非常に限定的というお話もあります。
    加えて、そうでなくとも現代には夜更かしして楽しいもので溢れています。

    大人ですら、遺伝子的にどうあれ、多くの方が許されるなら夜更かししていたいと思う現代です。
    子供たちであれば、なおさらでしょう。
    さらにこの研究は、こうした幼い時期の子供たちを対象とした研究結果はまだ出ていません。
    その意味では、この習慣付けの為の親御さんの努力は、とても良い試金石となり得ます。
    一生懸命頑張られた、それでも結果が出ない、そんなときにこの研究を思い出してほしいのです。
    「もしかしたら・・・」と、然るべき機関や施設で調べてもらうことで、お子さんのより良い道が見つかるかもしれません。

    本当に悩む親御さんやお子様が、自身の特性を正しく知り、自らの可能性を最大限に発揮できる道に進める事を、私たちは切に願います。

    今回のまとめ

    いかがでしたでしょうか。
    あんまり・・・短くなかったでしょうか・・・申し訳ありません(笑)
    ここまで読んでくださった方、心から感謝申し上げます。
    しかしご覧になって頂いた通りで、
    この段階まで頑張ってきますと、ねんねについて親がしてあげる事はそれほど多くありません。 そして、ねんねの習慣が出来上がっていることで、 親はより「発達や学習」にしっかりと目を向けてあげる事が出来ます。
    本当に、「備えあれば患いなし」という言葉がぴったりかなと思います。
    「その時になって言われても・・・」ということがとても多いのです。
    ですから、私どもとしては、少しでも早くから皆様にねんねに目を向けて頂きたいと考えております。
    さて次回は、いよいよ「環境編」に突入します。
    これまでのお話で度々(というか毎回)出てきた「環境」について、 具体的に説明して参ります。
    初回は、「環境編①:快適な環境とは?」と題し、 赤ちゃんのねんねに重要な環境の要素や、それぞれがどう大事なのかについて、解説致します。
    それでは、次回もぜひお楽しみに!
    以上、「基礎編➄:段階毎のねんね【3歳頃まで】」でしたー!